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暴走する愛国主義2008.5.1

暴走する愛国主義~米デューク大、王千源さんへの攻撃2008.5.1産経新聞

【ダーラム(米ノースカロライナ州)=山本秀也】米南部の名門デューク大学で、チベット問題をめぐる学内対立の回避を呼びかけた中国人女子学生、王千源さん(20)が、学内の留学生を含む中国人社会から脅迫や嫌がらせを受けている。北京五輪の聖火リレーとともに世界で注目を浴びた“赤い愛国主義”は、なぜ同胞を標的に暴走したのか。現場から報告する。

 学内の寄宿舎で王さんが開いたパソコンには、数え切れない脅迫や嫌がらせのメールが記録されていた。「グリーンカード(米永住権)が欲しくてここまで落ちたか」「民族敗類」(民族の面汚し)といった王さんへの罵倒(ばとう)は、掲示板への書き込みを加えれば、サイバー空間にあふれている。個人情報がネット上で暴露されたほか、中国・青島の実家も、赤ペンキで「殺売国賊」(売国奴を殺せ)と書き付けられたという。

 学内集会での王さんへの罵声の嵐、現代版“壁新聞”でもあるメールや掲示板での書き込み、家族も巻き込む攻撃ぶり-。これら一連のパターンは、王さん擁護派が「文革式の能なし愛国主義」と表現するように、紅衛兵が荒れ狂った文化大革命(1966~76年)を多くの人に想起させた。

王さんは学内集会で「まず冷静になりましょう」と呼びかけて仲介を試みただけで、「チベット独立」については支持していない。外国に対して民族主義を誇示するにとどまらず、同胞をも袋だたきにする反応について、王さんは「排外的なだけでなく“排内的”だ」と評した。

 悲しいまでにパターン化された「愛国主義」の表現ぶりを、王さんは「愚民化教育の結果」だとみる。「人が愚かであるほど、政府にとっては御しやすい。中国では、学校の道徳の時間は政府の宣伝(プロパガンダ)だと思っていた。愚民化教育は、思考を硬直化させる道具だ」

 王さんは94年に江沢民政権が教育要綱を制定した「愛国主義教育」にどっぷり漬かった世代でもある。中華民族の栄光をたたえる一方で、列強による近代以降の被害体験を強調するこの教育については、「きれいな言葉できたないものを覆っている。過去の被害で現代の他者を攻撃するものだ」と語った。

 学内での言論が脅迫などの対象となったことについて、デューク大学のデービッド・パレッツ教授(政治学)は、「大学で言論の自由が得られないなら、一体どこで得られるというのか。インターネットの登場によって、言論の自由に対する対価は高くつき始めている」と懸念を示した。

愛国集会の主体となった同大学の中国人学生組織は、学内や米国社会からの激しい批判を前に「この学生(王さん)の状況に同情する」との書簡を公開する一方、意図的な個人情報の横流しについては否定している。関係者によると、今回の言論に対する脅迫などについては、米司法機関が事情聴取に乗り出す構えをみせている。

     ◇

 王千源さんへの脅迫事件 北京五輪の聖火リレーが米サンフランシスコを通過した4月9日、デューク大学構内で、「自由チベット」を叫ぶ米国人学生らの十数人と、親政府系の中国人留学生ら400人あまりが対立。緊迫した空気のなか、同大1年の王千源さんが対立を避けて話し合うよう中国人に呼びかけた。

 王さんの仲介申し入れに対し、中国国旗を掲げたデモ隊は「漢奸(売国奴)」などの中傷を集団で浴びせた。直後に王さんの個人情報がインターネットでばらまかれ、中国語で「死体を刻んでやる」といった悪質な脅迫が殺到した。米メディアが事件を報じて、米国社会の強い関心を呼び起こした。


中国人への個人的な攻撃を良しとしないのは、

中国の人民もまた、政府のプロパガンダに利用された被害者だと考えるからです。

在日中国大使館は、「誰が長野に行き、誰が行かなかったか」を把握できる方法で

中国人留学生を動員しました。

もし長野の愛国動員に応じなければ、「漢奸」の汚名を着せられます。

この記事を見てもわかるように、本人はもとより、中国国内に住む本人の肉親までも

中国政府と、政府に操られた人民の攻撃が容赦なく向かいます。


長野においても、多くの日本人が傷つけられました。

皆さまも私も、粗暴な中国による愛国無罪行動に怒っています。

しかしここで私たちも冷静になる必要があります。

中国共産党による建国以来の人民の苦しみにも目を向ける必要があります。

中国政府による被害者は、チベット民族だけではありません。

人民もまた、愚民化政策によって政府に利用される被害者です。


中国政府への抗議および批判と、中国人個人への感情的な怒りを、区別する必要があります。



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